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流通や外食、繊維などの労働組合が加盟する産業別労組「UAゼンセン」は7日、令和6年春闘で要求する基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)について、4日午前時点で正社員組合員1人当たりの平均額は、過去最高の月額1万3509円と発表した。また、7日時点で妥結済みの組合数は28に上り、いずれも満額回答だったことを明かした。今後、本格化する中小企業の交渉に波及するかが焦点となる。
パートは正社員上回る要求
UAゼンセンは日本最大の産業別労組で、約2200組合(約185万人)が加盟。集計時点では正社員が467組合で、パートタイムは201組合で要求を提出。いずれも組織結成後の平成25年以降、最も高い水準の要求額となった。
要求する定期昇給込みの賃上げ率はパートタイムは6・96%で、正社員の6・18%を上回った。松浦昭彦会長は「(パートタイムに対する)ニーズがある中で仕事に見合った評価がなされている」とし、正社員との格差是正に向けた動きが進んでいると評価した。
イオングループが相場を牽引
一方、妥結済み28組合のうち集計時点までに妥結した25組合の結果は、正社員はベア引き上げ分が1万5640円。定期昇給込み2万258円で賃上げ率は6・70%だった。パートタイムは時給77・3円で賃上げ率は7・03%となった。
25組合のうち24組合がイオングループの企業の労組といい、UAゼンセン幹部は「(高水準となる妥結額の)相場づくりを牽引(けんいん)している」と評価した。
筆者:福田涼太郎(産経新聞)